不登校母の会
カウンセラーのO先生の呼びかけで、はじめはわたしを含め三人のお母さんたちで始まった。中学校のH先生もいつも参加して下さっている。もう二年あまりになるそうだ。月に一回ペースでお互いの様子を話し合うだけのシンプルな会で、はじめはほんとにおたがいおそるおそるのおっかなびっくりだったけれど、やっぱり共感できるところがいっぱいあって、表面的には静かだけれど、精神的にじっくりじわじわ親交を深めてこれた。
とにかく苦労が手に取るようにわかる。毎日毎日がまるで子どもに愛情を試されているような忍耐の日々。わたしは、何度かmimiに「見捨てられた」と思わせたことがある失格者なのだが、ほかのお母さんたちの我慢強いがんばりにはとても心打たれ励まされてきた。
その中で、わたしともう一人のお母さんが
「三年生になったら変わるよ。」
と言った言葉が励みになって見守ることができたと初回からのメンバーの一人であるTさんが何度も言ってくれた。
それが思いがけずうれしかった。
事実、T君は三年生になって見違えるように頑張り、定期試験を教室で受けるようにまでなった。
三年生になって卒業が見えてくると、ふしぎなものでみんな変わる。当然不安なのだろうけれど、今の自分を変えるチャンスととらえるみたいだ。無気力で何も考えていないように見えていても、実は
「変わりたい。何とかしたい。」と子ども自身が一番強く思っていることをあらためて知ったときだった。
だからといって思うようにうまくいくことばかりではないのだけれど、失敗を経験する勇気を持って、失敗を乗り越える貴重な経験を嫌というぐらい繰り返して、やっと人間らしい生き方ができることをわたしたちおとなが教えてもらっているみたいだ。