発達障害のことが知りたい!

中学に入学して不登校になり、発達障害と診断されたmimiと家族の記録。

「アスペルガー症候群と非言語性学習障害」(キャスリン・スチュワート)

 


 「アスペルガー症候群と非言語性学習障害」によると、この機能的弱点は、三つの相互に関連した領域に分類できるとあります。それは、以下のとおりです。

 ・視覚・空間処理と感覚・運動統合
 ・情報処理と組織化・系統化スキル
 ・ソーシャルスキルと実践的言語の発達

 こうした特質を考えるとき、注意しなければいけないのは、いずれにもぴたりと当てはまる人はいないということです。かなりの個人差があります。典型的にあらわれる人もいれば、それほど強くあらわれない人もあり、またそのあらわれる分野もあらわれかたも多岐に渡ることは、ぜひ心に留めておきたいところです。
 実際、mimiも「そういえばそうかなあ」という程度のことがいっぱいあります。見逃してしまっても不思議ではない微妙なラインです。大事なことは、機能的弱点が重いか軽いかということではなく、今特に困難なく生活が送れているか、という現実です。もし、よくわからないけれど、うまくいっていないのであれば、その現状を受け入れ、次にどうすればうまくいくかを検討してみてもよいのではないでしょうか。そのために自分の特質を知ることは重要です。

 はじめて発達障害のおそれがあると言われた時、いろいろな本をたくさん読みました。でも、どれも「当たらずとも遠からず」といった感じで全然ピンときませんでした。本当に発達障害なんだろうか……。mimiは体調不良が顕著だったので、ほかに病気があるのではないかと心配しました。
 いろいろなことがあって、今の主治医に「非言語性学習障害」という明確な診断をされたのですが、それでもしばらく納得できませんでした。よくわからなかったからです。ところが、この「アスペルガー症候群と非言語性学習障害」という本を見つけて読んで、これまでになくピンときたというか、初めて腑に落ちたのでした。
 日本では「非言語性学習障害」という分類を使わないことが多いみたいなので、「非言語性学習障害」について書かれてある日本語の本といえば、これぐらいしかありません。ほかに「軽度発達障害」「広汎性発達障害」「高機能発達障害」といった分類があり、医師や学者によって考えが違うようですが、いずれも似たりよったりで、細かな特質の説明に終始し、「自閉症」に比べ、これからどうすればいいのかといった議論がほとんどないことにがっかりします。
 こうした知的障害がない発達障害は、まだ社会的に障害として認められておらず、専門家の間でもなお偏見があるように思います。

 一番身近にいながらなかなか気づけなかったmimiの特質を理解するのに、この「アスペルガー症候群と非言語性学習障害」はたいへん役に立ちました。同じようなことが繰り返し書かれていますが、これまでに読んだ本と違い、多種多様な具体例とこれからの対策のヒントが書かれてあり、発達障害の名前にこだわらず、弱点部分に着目し、どうすればいいかを考える内容になっています。
 対策については、アメリカの支援が紹介されているだけなので、ほとんど役に立たないのが残念です。日本でも、細々と相談や支援活動をしているところがありますので、個人的に地道に、できるだけ多くの人に支援してもらえるような人脈作りをしていく必要を感じています。
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