発達障害のことが知りたい!

中学に入学して不登校になり、発達障害と診断されたmimiと家族の記録。

そこそこ年長者になって思うこと


 お母さんが精神的に不安定になっているというご近所の通報を受けて相談に乗っていた家族が一家心中してしまったという痛ましい事件がありました。
 連日の気づけなかった孤独死や救えなかった虐待死のニュースに言葉にならないむなしさを感じてしまいます。
 
 家庭内の悩みや問題はなかなか社会に向かって助けを求められないものです。わたしもmimiのことで悩んでいたとき、家族のことは家族で解決しなくてはいけないような気になったり、ほかの人にはわかってもらえないような気がして周囲に相談できない時期が相当ありました。

 だけど、もちろん家族でなければできないこともあるのだけれど、家族だからかえってうまくできないこともあるんです。そこで勇気を出してやっとの思いで外に助けを求めて駆け込んだ先でたまたま心ない対応をされてしまったりしたら行き場をなくしてしまうだろうなあと思います。
 そうでなくても多くの場合、一度の話し合いで問題を理解して解決に向かうなんてことはありえません。家族以外の人がその家族の状態を知るのにはかなりの時間が必要です。警察の初動捜査ではないけれど、まずはじめに話に耳を傾ける姿勢がとっても大切だなあと思います。

 そんなえらそうなことを言っているわたしですが、自分の気づかないところで偏見や差別のせいでまともに話をきけなくなることはよくあります。あー、人間ってやだなあと思ってしまう瞬間です。
 その一方、助け合うこともちゃんと知っているのが人間です。はっと気づいたときからあらためればいいかなと思ってます。

 わたしは、mimiのことでほんとうにたくさんの人に助けてもらい救われました。正直がっかりしたこともありました。でも、失望することばかりではありませんでした。「捨てる神あれば拾う神あり」です。たまたまラッキーだったとは思っていません。だれにでも希望を捨てなければ助けてくれる人がきっとあらわれると信じてます。
 そんなこんなではじめて人は助けてもらわなければ一人では生きられないということを実感したのです。だれにも迷惑をかけないで生きることなんてできないことに気がついたのです。わたしはmimiのことがなかったら、たぶん今でもわかっていなかったと思います。親は子どもから学ぶと言いますが、わたしはmimiから実に多くのことを教えられました。

 そこそこ年長者になってしまったわたしができることは、人間はだれでも支えてもらってやっと生きていけるんだということを伝えていくことではないかと思っているところです。自立も大事です。でも、自立だって一人でできるものではないんだよ。助け合うために社会があることを忘れないでいたいね。