発達障害のことが知りたい!

中学に入学して不登校になり、発達障害と診断されたmimiと家族の記録。

専門家に勝る者

 「専門医に相談しましょう」とことあるごとに言われます。確かに発達障害の診断は医師にしかできません。でも、専門家は医師だけではありません。実際の知能検査に立ちあうのは臨床心理士の場合もあります。ほかにも社会的な困難にいち早く気づいたのは学校の先生ということもあります。

 数年前、何となくからだの具合が悪くて総合病院に行った時にこんなことがありました。はじめ、婦人科でわずかな炎症値が気になるからと内科に送られたのですが、これといって何も見つからないので、これまた念のためと超音波でお腹を見てもらったところ、ひどい盲腸で緊急手術が必要と言われ、突然車いすに座らされ、その日のうちに手術・入院することになったのでした。その後、内科の先生があやうく見逃すところだったと謝罪に来られました。結局、わたしの盲腸に気がついた医師はいなかったのですが、見事な連携と慎重な診察のおかげで大事に至らなかったと感謝しています。

 つまり、関わる人すべての目は一人の専門家に勝ることがあると思うのです。mimiのことにしても、はじめて訪ねた大学病院は、インターネットで念入りに調べた小児精神科でしたが、今思うとどこでもできそうな検査をしてもらっただけで、あんな遠くまでわざわざ行くほどの価値は正直なかったなあと思っています。こうした無駄な遠回りをしてはじめてわかったこともありましたが、mimiにはずいぶんつらい思いをさせてしまいました。

 その後、救急車で運ばれた地元の総合病院の小児科の先生にとても親身にみていただいて本当に救われました。こんなすぐ身近に信頼できる先生がいたのに、わたしは遠くのいわゆる「専門家」にこだわって大事な時間を無駄にしたのでした。

 まずは身近な周囲の人たちの力を見直してみることから始めてみてはどうでしょう。思いがけない人が味方になることがあります。どういうわけか自分のことをよくわかってくれたり、話を聞いてくれたりする人があらわれるかもしれません。そしてそれは専門家でも何でもないふつうの人である可能性もあるということを心に留めておいてください。理想通りのぴったりの人を探すのではなく、身近にいるふつうの人たちの力を少しずつ分けてもらえたらいいと思いませんか。

 また、身近な人だからこそ相談できないと悩んでいる人へ、その気持ちもよくわかります。誰にも言いたくないときは無理をしなくていいと思います。ただ、誰かに助けてほしいと思った時、思い出してくれるとうれしいです。
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