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発達障害のことが知りたい!

中学に入学して不登校になり、発達障害と診断されたmimiと家族の記録。

ざわざわ

 毎朝、あの災害が夢だったらいいのにと思う。わたしは阪神大震災の年の元旦にmimiを出産し、1月9日まで神戸市の病院にいた。その後、神戸市の自宅には戻らず、大阪の実家に帰っていたので災難を免れた。自宅にいた夫は、数日連絡がとれず、死んだかと不安でいっぱいになった。何日かして夫は徒歩で神戸を抜け出した。あのころのいろいろなことがよみがえってきた。一年ぐらい電気を消して寝ることができなかった。ただただコワくてしかたなかったのだ。それでもここ最近は、そうした記憶も薄れつつあるのを感じていた。それがあの日以来、一気に、さらに強烈な不安となってよみがえってきており、重く心の奥にひっかかっている。
 同じ日本にいながら、平穏無事に生活していることが何だか申し訳なく落ち着かない。mimiの将来より日本の将来の方がたいへんなことになってきた。わたしはいつものことをしっかりするだけだと心に言い聞かせながら、どこかざわざわしている。mimiは案外冷静にしっかりと受け止めていることに驚く。
 以前、ひきこもりのようになって動けなくなってしまったmimiが、何か動かざるをえないような非常事態が起きたらいいのに……というようなことを言ったのでびっくりしたことがあった。mimiは、それほど動きたいと思っているのに動けないという不可解な苦しみを抱えていることをそのとき知った。
 mimiは、このたびの思いがけない大きな苦しみの中で懸命に生きているたくさんの人たちの姿に、逆に勇気をもらっているのかもしれない。今、動き出さなくてどうする……といった心持ちにさせられるのかもしれない。とはいえ体調を安定させるのは、そう簡単ではなさそうだが、精神的にたくましくなるのは一歩前進である。