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発達障害のことが知りたい!

中学に入学して不登校になり、発達障害と診断されたmimiと家族の記録。

最近気づいたこと

 精神科の主治医には、一か月に一度、mimiたろうといっしょに会います。この一カ月のようすを話すことから始まります。
 mimiたろうは、疲れていても嫌な顔を見せず、謙虚に感じよく話します。それは言葉少なく、この一カ月、なかなか順調だったかのような印象を与え、わたしはいつも違和感を覚えます。
 「お母さんからご覧になってどうですか?」
と聞かれると、わたしは決まって
「相変わらずしんどそうです。」
とやや不満げに答えることになります。わたしはmimiたろうのしんどさを何とか軽くしてやれないものかということを考え続けているので、気がつけばmimiたろうのつらそうなようすばかりを熱心に話しています。
 mimiたろうの説明不足に物足りなさを感じているので、出しゃばるのはよくないと思いながら、私の口数は自然多くなってしまう傾向があります。mimiたろうの口ぶりからは、mimiたろうの日ごろの具合の悪さはほとんど伝わらないように思えたからです。
 体調が悪い日にはかならず
「こんど先生にきょうのしんどかったときのこと話したほうがいいよ。」
と言います。すると
「わかってる。いつも話してるやん。」
と迷惑そうに言います。
「えっ、あれで言ってるつもり? あんなんじゃ、先生わかってないと思うよ。」
「えー、しつこく言うのは苦手。でも、言うことは言ってるやろ。」
「なんか、いつもまあまあ調子よさげに聞こえるねんけど。mimiたろうがしつこいって思うぐらい説明しても、ちっともしつこくないし、ちょうどいいぐらいとちゃうかなあ。mimiたろうみたいにあっさり言うと、何も困ってることがないみたいに思うよ。」
「えー、そうかなあ。」
「先生、わかってくれてると思う? 先生はすごく慎重に思ってくれてるからいいけど、mimiたろうのしんどかったときのこと、ちゃんと伝わってないように思うねんけど。」
「わからん。そういうの、わからん。」
 mimiたろう自身は、十分に説明しているつもりらしいこと、相手の反応を見て、本当に伝わっているかどうかというようなことを推測するのが難しいらしいことがわかってきました。
 やさしくて気をつかうmimiたろうが場の空気を読んだり推察することが苦手だなんて、わたしにはとても信じられませんでしたが、自分の伝えたいことが思い通りに伝わっているかどうかを見極めるところで躊躇していたことを初めて知ったのでした。
 確かに、とても微細なことかもしれません。でも、人間関係というのは、こうした細かいことが複雑に折り重なっていることを思うと、これまでのmimiたろうのとまどいと疲労の蓄積は決して小さくなかっただろうと思いました。