経験を生かす
言葉の森の作文講師をして、かれこれ十年になりました。びっくりです。在宅で、生活のペースに合わせることができたこともありますが、子どもの作文を読むことや電話で子どもたちや保護者と話をするのも意外と楽しくておもしろかったからです。はじめは自分が作文を書くことはできても講師がつとまるのかどうか不安でした。
話し上手ではないので「あっさりしすぎ」というクレームもときどきあって「もうだめ」と思うことが何度もありました。それでも中にはどういうわけか相性が良くて話のはずむ子どもやお母さんもいましたので、こんなふうにわたしでもいいと言ってくれる人が少しでもいるうちは続けていこうと思うようになりました。
この頃は、お母さんがわたしよりずっと若く、子どもたちもmimiより小さかったり、反対に大学生や社会人といったふだん接することがない人たちと話をすることもあり、世代のギャップが楽しくもあります。
子どものことが気になりながらも仕事が忙しくて思うように接する時間がないというお母さんも増えています。子どものほめ方がわからないというお母さんもいました。わたし自身、そうしたお母さんたちの悩みに共感し、教えられることも多いです。
mimiとの経験を通してわかったことなのですが、家族でもなく学校の先生でもない、いろいろな第三者がいろいろなかたちで親子をほめたり励ましたりしながらサポートするのはとてもいいことではないかと思うのです。
気にかけてくれている人がいると思うだけで嬉しい時があります。
わたしも週に一回、電話十分間ほどのおつきあいですが大切にしていきたいと思っています。
先日、mimiに不登校や発達障害の子どもを育てた経験が生かせると言われてはっとしました。社会に出て働いた経験がろくにないわたしにも生かせる経験がこんな身近なところにあったみたいです。
さて、何ができるかなあ。