発達障害のことが知りたい!

中学に入学して不登校になり、発達障害と診断されたmimiと家族の記録。

自分の長所

 「わたしの長所と短所」という作文の課題では、多くの子が自分の長所がうまく見つけられなくて困る。日本ではふだん自分の長所を知らなくて困るということがない。むしろ自分の長所をことさらに言う方がはしたないという感じだ。だから就職活動やオーディションといった特殊な状況になってはじめて突如自分をアピールすることを求められてもできるはずがないのである。
 この頃の若者は意欲がないとか覇気が感じられないとかいったようなことが言われているみたいだが、確かわたしが若者だったころも同じようなことを言われていた。年長者の決まり文句にいちいちひっかかることはない。日本では日ごろから自分の長所を考えて発表する習慣がないだけのことだ。
 この作文を機に、自分の長所を考えてもらうことにしている。たずねると「ない」と即答されてしまうことがある。だから、まずまわりの人に「わたしのいいとこってどんなところ?」と聞いてもらうようにしている。
 それから考えるヒントとして好きなことや得意なこと、ほめられたことを思い出してもらう。
 もう一つは長所と短所は表裏一体の関係にあることを話す。自分では欠点だと思っていることが実は長所である場合が少なくないからだ。世話好きで親切も行き過ぎればおせっかいになるし、慎重で思慮深いことがときには決断の遅れになることもある。
 自分のよさをちゃんと知っている人は、他人のいいところを見つけるのも上手な気がしている。いろいろな角度からものごとを見るコツみたいなものを押さえているからではないだろうか。
 だから、シューカツのときだけに限らず、日本人ももっとふだんから自分の長所を見つける訓練をしてもいいと思う。