発達障害のことが知りたい!

中学に入学して不登校になり、発達障害と診断されたmimiと家族の記録。

発達障害の特質であれ不登校の状態であれ、今と同じ状況がずっと続くとは限らない。

 

 心もからだも時間と共に変化しているからだ。しかし、当事者や家族は時間が止まってしまったかのように感じる。
 止まっていたmimiの時計も突然動き出したように見えるが、実際にはそんなことはない。これまでも動いていた。ほんのわずかな変化だったからわからなかったけれど、それが少しずつ少しずつ蓄積されていたのだろう。
 わたしのサポートがもっと適切であったら、mimiはもっとはやく今よりラクになったかもしれないと幾度も思ってきた。その一方で、わたしにもmimiにも苦しかったけれど必要な時間だったのかもしれないと思うことがある。
 思い出したくないようなこともあるが、わたしのろくでもない行動は、すべて自分勝手なあせりから生じていた。「わたしが何とかしなければいけない」という思いこみや「一刻も早く」というあせりは、自分がはやく楽になりたかっただけだったように思う。
 mimiが思い通りにならなくて投げ出したくなることがあった。ふっと自分の中にあるmimiへの執着をゆるめたら、一瞬ラクになったような気がした。ヤケクソで投げやりな気持ちでmimiのことを忘れようとしたら、今度は自分のことがどんどん嫌になるばかりだった。そのころからmimiに対する思いが少しずつ変化していったのかもしれない。
 mimiに「見捨てられたと思った」と言われた時は、内心を言い当てられたような思いがして、逆切れ状態になったこともあった。mimiと少しずつ話ができるようになっても、話し合いがうまくいかないことがしばしばあった。そんな中で。自分がmimiをどうにかするのではなく、どんなmimiも見守っていこうと思えるようになった。それはもうほんの少しずつである。一方のmimiは静かに着実に成長していった。
 急なダイエットにはリバウンドがつきものなのと同じで、ゆっくりじっくりジワジワ進んでいきたいのだが、ここのところのmimiはちょっと劇的に成長している。でも、主治医の言う通り、今までときどきあった絶好調のときのようなハイテンションで調子に乗っているというような危うさがないのでちょっと安心している。
 スクーリングの成功が確実に自信になっている。今年はどんなにしんどいと思っても、決めていた外出はとにかく行くことに決めていたそうだ。もともとmimiは、思いこんだら融通が効かないぐらい強いところがある。それが今回はいいように働いている。