発達障害のことが知りたい!

中学に入学して不登校になり、発達障害と診断されたmimiと家族の記録。

もし、自分の子どもが不登校になったら


 もし、自分の子どもが不登校になったらどうしますか?

 不登校の事情はさまざまだと思いますが、子どもの一番身近にいるおとなが孤立してしまう点は共通している。誰かに相談しにくかったり、相談する人が見当たらなかったり、自分が何とかしなければいけないと抱え込んだりする傾向がある。わたしもそうでした。

 今だから言えるのですが、不登校の子どもを救うには、子どもの一番身近にいるおとなが救われなければ始まらない。

 「誰かに助けてもらわなければいけない。」そう思えるようになるのに、わたしもずいぶん時間がかかりました。全部が無駄な時間だったとは思いません。でも、自分が思い悩んでいた間中、mimiはもっともっと苦しんでいました。よくぞ耐えてくれたと思います。
 いろいろな思いや考えがあると思います。ですが、目の前の子どもを少しでも早く助けたいと心から願うなら、まず、あなたが助けてもらってください。助けを求めて下さい。決して一人では子どもを救うことはできないからです。

 わたしの助けになった窓口や制度をご紹介します。

 わたしは担任の先生を通じてスクールカウンセラーに会ったのが始まりでした。正直、何も期待してませんでした。でも、一人で悩み続けることに疲れ、誰かに話を聞いてほしいという思いがあったと思います。話をして、泣いて、何が解決したわけでもなかったけれど、何だか楽になりました。それを機に、mimiが不登校であることをうしろめたく思っていた気持ちが少しずつうすらいでいったと思います。
 カウンセラーの呼びかけで中学校の不登校母の会には立ち上げメンバーの一人として参加しました。声をかけられたときは、少し不安で気が進まなかったのですが、夫に参加するよう促されて出席することにしました。はじめのメンバーは、わたしを含め、お母さん四人と学校の先生一人とカウンセラーの六人でした。今もメンバーはほとんど変わりません。お互いに、子どものことをただ報告し合うだけの何ということもない会ですが、出席して良かったと思います。皆それぞれ大変な思いをしているのですが、何だか回を重ねるごとに静かに穏やかに親交が深まっている感じです。mimiにも母の会の話をしていますが、自分のことを振り返るいい機会になっているようです。

 小・中学生には、学習支援制度がおすすめです。これは地域によって違うのかもしれませんが、わたしの住んでいるところでは、非常勤の先生が定期的に個別訪問してくれます。こうした活動に参加してくださる先生は志があり、どこの学校にも属していないので、登校している学校に気がねする必要がありません。一回二時間で、mimiは博物館など外出もして楽しそうでした。そんなmimiもはじめは拒否していました。拒否する子どもが多く、あまり利用されない制度のようですが、もったいないです。子どもが消極的でも、極端に嫌がらなければ、訪問し続けてもらうことをおすすめします。

 中学校を卒業してからは、カウンセラーの紹介で大学生の家庭教師に来てもらっています。これは有料です。

 ほかにも「ふれあい教育センター」(教育委員会)の相談窓口や特別支援学校の先生の発達相談窓口も紹介していただきました。一般には告知されていないところもあります。いろいろな人がいますので、合わない人も中にはいるかもしれませんが、専門の相談を受けて下さるところは対応に慣れているので、余計な気遣いは無用で楽です。わたしの経験では、話を聞いてもらうことがほとんどで、何か言われるということはありません。こうした話のできる人と一人でも多く知り合って、一人でも信頼できる人を見つけると心強いです。現状が何も変わらないとき、心の支えになります。まわりのおとなの心持ちが変われば、必ず子どもの力になれると思います。

 ぜひ、助けを求めてください。