発達障害のことが知りたい!

中学に入学して不登校になり、発達障害と診断されたmimiと家族の記録。

まるく株式会社

 愛媛県に「まるく株式会社」http://maruc.biz/というところがあります。就労継続A型事業所といわれる会社で、多種多様な障害者雇用を先進的になさっている会社です。
 まるくで働きながら仕事を身につけた人たちの中には、一般企業に就職したり独立を実現された人たちもいるそうです。雇用事情が最悪な地方にあって驚くべきことだと思います。この会社では、一人ひとりにたいへん丁寧な研修や訓練が早くから試行錯誤で行われてきており、その成果だと思われます。
 まるくを知った時、本当にこんな会社が現実にこの日本に存在してくれていたことにびっくりし、嬉しく思いました。

 わたしは北野社長にあつかましくもメールで問い合わせをしてしまいました。どのような研修や訓練をされているのか、どうしても知りたかったからです。
 北野社長は、障害者雇用の普及と教育にたいへん熱心な方で、各地でも講演や指導をされています。ご自身もジョブコーチの勉強をされ、職場と労働者や求職者の橋渡しや仲介のお仕事をされています。
 お返事は期待していなかったのですが、先日非常に丁寧できめ細かな実例が書かれた返信を頂戴し、感激しました。

 わたしの想像していたとおり、mimiに似た特質の人に対応する方法がいくつか書かれてありました。とくに参考になったのは、以下のところです。

●記憶を長くキープすることに困難がある社員の場合
  パソコンを使った業務なら、メモやポストイットなどで、どこまではできていて、どこからするのかを記憶があるうちに書いて貼っておくと、画面の前に座るだけで済みます。また、携帯等やスマートホンやICレコーダーを使って、記憶があるうちに吹き込んでおく方法を選択する人もいます。

 スケジュール的なことも同様です。それと、忘れたら「お忙しいところすみません、いまお時間宜しいでしょうか?忘れてしまっているので教えてください」と頼むことに慣れておくと、職場での気兼ねからくるストレスが軽減されます。

 障がいのある人に限らず、メモをとる習慣は社会人になると必ず教えられることです。いまのうちから習慣化できていれば将来ご子息は逆に見習われる存在になるかもしれません。

 あとは、情報の保存先を一つにしておくことです。いくつもの保存先だと、その保存先を忘れてしまうことがあるからです。特定のノートなどアナログなやり方と、前述のスマートホンといったデジタル端末を使うやり方、どちらも一長一短ですが、両方検討してみてください。

 家族でさえ難しいと思われるこのようなきめ細かい対応を忍耐強くしてくれる職場があるでしょうか……。

 情報の保存先を一つにするin-boxは、やはり有効なのではないかと自信を持ちました。少しずつmimiの習慣に取り入れていきたいと思います。