発達障害のことが知りたい!

中学に入学して不登校になり、発達障害と診断されたmimiと家族の記録。

診察日

 スクーリング初日を無事こなし、フリーズ状態が抜けきらないまま診察日を迎える。電車で疲れてボロボロ状態で診察室に入るのはいつものことなのだが、この日は先生が待ち合いでmimiに声をかけても目を覚まさない。からだをゆすりながら声をかけ、やっとのことで起きているのかはっきりしないまま診察室の椅子に腰かけた。
 五月のチェック表を見てもらいながら話をするものの、目覚めていない感じである。
 スクーリングのようすや友だちとばったり会った話をすると、無理にスケジュールを合わせていっしょに行くような約束をしてしまうことがないように、わたしが間に入って調整するように言われた。また、スクーリングの前日、緊張していたので持ち物を確認する手助けをしたことを話した。先生にも身の回りの整理や準備など苦手そうなことは、これからも積極的に手伝うように言われた。
 まだまだ疲れて寝込む日があるものの、何とかピアノや勉強といった最低限のスケジュールがこなせるようになってきたことを嬉しく思っていたが、先生はmimiに物足りなさを感じていないかと唐突に尋ねた。先生曰く、調整がうまくできるようになってくると、絶不調がなくなる代わりに絶好調もなくなる。そのことが物足りなくてつまらないと感じてしまうことがあるらしい。mimiのような人が体験する絶好調は、それぐらいすごいことなのかもしれない。先生は、そのような絶好調を目指すのは、非現実的なことなんだというようなことを静かに穏やかに、でもきっぱりとmimiに告げた。絶不調を減らすことがmimiの本来の力を発揮することにつながる。だから、今は物足りないぐらいにできることを絞るように何度も言われた。
 先生には、スクーリングの時間数も自然科学同好会に参加することももっと慎重にするよう意見されてしまった。そこで、わたしは目標は高くしているけれど、できなくても以前ほど落ち込まないし、ものごとを少しずつゆるく考えられるようになってきているので、安心して見ていられるようになったと話した。それで先生も「まあ、いいか」という調子で笑いつつ「くれぐれも手を広げ過ぎないように。物足りないぐらいで。」とまたしても念を押されて部屋を出た。