親離れ
mimiの耳は三日目になってようやく痛みがおさまってきたようだ。友だちとスクーリングの打ち合わせをして、レポートも一通仕上げていた。ピアノも新曲の譜読みに入った。
わたしがしたことは点耳薬を落とすぐらい。何でもひとりでやろうとしている。あたりまえのことだが、調子が良くなると、急に手がかからなくなる。待ちわびていたはずのことなのに、それはもうあっけない。これからも一人、部屋で悩み苦しむことはあるに違いないけれど、もうわたしの出番はないかもしれない。喜ばしいことである。
頭の中の混乱はどうなったのだろう。やり過ごせているのかな。
つい最近、わたしといっしょに出かけるのは少し恥ずかしいというようなことをはじめて口にした。これまでわたしのほうは気を使っていたが、mimiはどちらかと言えばひとりでいる心細さの方が勝っている感じだったからちょっとびっくりした。ちゃんとまともに成長しているではないかと嬉しく思う。
わたしの手元に置きっ放しにしていた高校の教科書を少しずつ部屋に持ち去っている。そのうち部屋の片づけを手伝おう。