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発達障害のことが知りたい!

中学に入学して不登校になり、発達障害と診断されたmimiと家族の記録。

無意識のつながり

 被災地でひきこもっていた人や不登校の子供たちはどうしているのだろう。非難を拒否したひきこもりの青年が自宅の屋根につかまって流されながらも救助されたという話があったが、今回のような非常時には、ひきこもりや不登校はもちろん、会社員、自営業、学生、セレブ、中流階級……どんなカテゴライズも意味を失う。
 mimiの主治医から不登校やひきこもり経験のある人は、海外で生き生きと活動する場合が少なくないことを聞いた。外国では、せいぜい日本人あるいはアジア人といったざっくりしたくくりで見られることが多く、細かな個性を気にする人が少ないからではないかという。これは、決して一人ひとりの個性が無視されるというのではなく、一人ひとりに違いがあり変わっていることはとくに珍しいことではなく、当然のこととして受けとめられるということらしい。日本で「空気が読めない」「変わっている」と言われ、人間関係に傷ついたり窮屈な思いをしてきた人にとっては、たいへん居心地のいいことかもしれない。
 日本文化に根強い「あうんの呼吸」みたいなはっきりしない空気感や仲間意識は、うまくいっているときには強い連帯感を発揮する。しかし、いったんその輪から外れたものには不可解で冷たいものになる。だから輪から外れることを極端におそれ、個性が縛られる傾向があるように思う。
 そうした日本でも最近では孤立し孤独に悩む人たちが増えてきていることが社会問題になっている。しかし、このたびの大災害で、わたしたちは少なくとも物流を通し、たがいに深く結びつき、つながり、助け合って生活しているということを思い知らされた。一人ではどんなものも手に入れることはできない。一人では生きられないのだ。そんなごくあたりまえのことに感心している。