発達障害のことが知りたい!

中学に入学して不登校になり、発達障害と診断されたmimiと家族の記録。

予測不可な状態

 未来は誰にとっても予測不可能である。何が起こるかわからないからおもしろいとも言える。しかし、mimiの予測不可状態をあらためて考えてみると確かにおそろしく不安かもしれない。
 mimiはしょっちゅう「わからない」と言う。先日のマクドナルドも学校のスクーリングも突然緊張してダメになると言うのである。人が多そうだからダメだとか、きょうは体調が悪いから行けそうにないとか、この前も気分が悪くなったからあの場所には行かない方がよさそうとか、そうした予測がまったくできないみたいなのだ。
 だから、いつでもどこでもやってみないとわからないぶっつけ本番みたいになってしまう。さらに困ったことに、過去の数々の涙ぐましいチャレンジ経験が予測するためのデータとして積み重なっておらず、少しも役立てられていないのである。
 このことにはなかなか気づいてあげられなかった。これこそ情報処理の苦手さからくる混乱なんだと今ならわかってあげられる。mimiにとって未来は、すべてまったく経験したことがない新しい状況と対面することだったのである。それはコワイだろうし、圧倒されてフリーズしたとしても無理がない。
 さて、どうすればこれまでの経験を生かして見通しを立てることができるだろうか。訓練次第で何とかなるものなんだろうか。考えうる具体的な予測を細かく丁寧に教え、それぞれの対応を練習するといった訓練をめんどうがらずにやるのがいいのではないだろうか。そうした経験が積み重なって記憶されるように注意深く繰り返すことが大事だ。日常生活の経験で自然に覚えていけそうなことの中に、思いがけない落とし穴があるかもしれないと思っていた方がいい。また、mimiには「あれこれたくさん」と感じさせないようにステップアップしていくことも大切だ。